すごい映画を観たよ。
「ボルベール <帰郷>」
昨年のカンヌ映画祭で最優秀脚本賞と最優秀女優賞を受賞したというスペイン映画。
ペネロペ・クルス主演。
監督:ペドロ・アルモドバル。
カルロス・サウラ以来のスペイン映画を観た、という感じ。
スペイン、ラ・マンチャ地方の風土の中でこそ、の物語かな。
主演女優6名がそろって、カンヌの女優賞を受賞したというだけあって、全員、体当たり、鬼気迫る。
祖母と母と娘、三代の女たちの運命と確執。
それでも、スペインの情熱や風土は、すべてを救ってしまうんだな。
気づいたのは、私たちは、近代の規範の中で生きていて、それは、普段、正しいように思えているけれど、もっと古い時代には、もっと人間的で別の意味の正しさがあったのだということ。
確かに、現代で、一人を殺せば裁かれるが、何万人も殺した戦争の指導者は、裁かれない。
映画では、みんなが幸福になれてよかったです。
特に、あのおばあさんが、私にとってはいつまでも、癒しであり、やすらぎです。
怖いんだけど、もう一度観たいくらいの映画だな。

リリアン。